Hamlet

English Lit

こんにちは。”Hamlet”『ハムレット』の分析ページです。ウシブログは、好きなことを、好きなだけ。文学分析をアップロードし続けます。

和訳されたものを読んでいる方にも、「原文で読むにあたって」以降の分析のページは役に立つように書かれています。

現在は、「はじめに:この本を原文で読むにあたって」のみ公開されています。次のアップロードをお待ちください。

  • はじめに:この本を原文で読むにあたって
  • 分析:Hamlet『ハムレット』の基本情報
  • 分析:Hamlet『ハムレット』の構成
  • 分析:Hamlet『ハムレット』の登場人物
  • 分析:Hamlet『ハムレット』の主題
  • 発展:Hamlet『ハムレット』において重要な問い
  • 発展:ウシの落書き
  • 参考:Critical Essay Collection「文学評論集」

 

この本を原文で読むにあたって


求められる英語力:英語が非常に得意・英語を専攻している

全体を通して、Shakespeareの時代の古い英語で書かれており、知らない単語、扱ったことのない文法が散見されます。

OpenSourceShakespeareというサイトによると、Hamletは30,557wordsで構成された悲劇で、Shakespeareの悲劇群の中でも一番長い作品です。Shakespeareの悲劇の中で一番短いというMacbethは17,121wordsだそうですので、HamletはMacbethの約1.8倍の長さです。そのため、Hamletの読了・分析は敷居が高くなっているのが実情です。

HamletはShakespeareの悲劇の中でも完成度が高い戯曲ですので、英語を志す者ならば、一読しておきたい本です。


映画:有り

たくさんの映画が作られています。

英文学では映画の分析も学習対象になるので、時間がある時に、色々なバージョンを見ておくと、いざという時のための自分の引き出しを増やすことができます。


読了にかかる時間:3日、一週間以上かかることも視野に。

読み切るためには、一気に読むことが大事だとよく言うのですが、Hamletの場合は、一筋縄では行きません。わからない言葉に辞書を多用していると、詰まってしまいがちですので、なるべく言葉の意味を推測しながら、1日決めた量はしっかりと読んで行くことをお勧めします。

話が哲学的なので、気になるページには付箋を貼っておき、読み終わった後から戻ってきてゆっくり考え込むということも重要かと思います。

また、SparknotesLitChartsと呼ばれる文学分析サイトには、現代語訳版のShakespeareが用意されており、Hamletも現代語に訳されたものが無料で掲載されています。これを参考にしながら読み進めるとよいと思います。

↓SparknotesやLitChartなど、文学分析の海外サイトに関する詳しい記事はこちらにございます。興味のある方はご一読ください。

【英文学】海外文学を分析するときに役に立つサイトまとめ
海外文学を分析するときは、国文学を分析するときより不安になりがちだと思います。「この表現の受け取り方ってこれで良いのかな」、「文化的背景をもっと理解しないと分析できないかも」など色々悩みが出てきたときに、基礎的な情報を確認できるサイト...

この本の感想:とてもお勧め

幼さを湛えていたHamletも、最後にはこの世の摂理を理解するように、この戯曲は人生を舞台に凝縮しています。舞台でおきることは全てShakespeareの思いのままに書かれていますが、作品に集中するとそれは現実のことのように思えてきます。Shakespeareは、戯曲を通して何でも現実にすることができるのです。「戯曲を通じた現実」というテーマはHamletでも特徴的なものです。

「戯曲を通じた現実」というのが生きてくるのは悲劇でしょう。喜劇は、「観客/読み手として、役者/登場人物/状況などを笑う」という行為が、舞台とそれの受取手の境界線を明確にしています。悲劇では、観客や読み手は登場人物に同情したり、自分を置き換えて考えるために、「戯曲を通じた現実」があるのです。

 

この本を読むとできるようになること


Shakespeareの時代の人の、ものの考え方・価値観を知ることができる

Shakespeareの時代は、国家の平安は王の正統な統治があってこそだと強く信じられていました。Hamletにおいて、悪王クローディアスの統治のもとでデンマークは腐敗しています。当時の考え方が強く反映されている作品です。

また、こちらはShakespeare作品に多く言えることですが、女性の描き方にも注目することができます。Hamletにおいては、登場する女性は権力や選択肢が少なく、それが悲劇的な結末の一端を担っています。読者も観客も、この女性の社会的立場には同情を抱くように書かれています。「女性の社会的立場」はHamletを通して描かれているテーマのうちの一つです。

 


投げ出さないで考えることができるようになる

「なんだ、あたりまえじゃないか」と思う方もいると思いますが、Hamletを原初で読破するということは、「わからないこと」に対する耐久力が付いているということです。「わからないこと」に向き合う力というのは、学校でも仕事でも求められる力で、これは文学に限ったことではありません。

そして、Hamletを読めるということは、短編〜中編小説ならば、大抵は英語で読めるようになっているはずです。わからないことを消化することを積み重ねて、はじめて自分の頭で考えることができるようになります。


Shakespeareの使うテクニックが見えてくる

Hamlet、Romeo and Juliet、Macbethなど、Shakespeare代表作を読んでいくと、Shakespeareが戯曲に使うテクニックが見えてきます。作者の選択が見えてきてはじめてその効果について論じることができるので、これは文学分析においてとても重要なことです。

 

自分の使っていたエディション

こちらのマスマーケット版を頂いたので使っています。ペンギンブックスのもので、

  • General Introduction「概説」10ページ分
  • The Chronology of Shakespeare’s Works「シェイクスピア作品の年表」3ページ分
  • Introduction「紹介」38ページ分
  • The Play in Performance「演劇」13ページ分
  • Further Reading「推薦文献リスト」9ページ分
  • An Account of the Text「テキストについて」25ページ分
  • Commentary「解説」148ページ分

という充実した内容になっています。

「テキストについて」では、主にHamletの版がどのように変化していったかの歴史についてまとめられています。

版の変化やHamletがどのように現代まで受け継がれてきたのか、という文学分析において重要な歴史背景まで資料として手元におけるようにまとめられています。これで図書館から埃っぽくて分厚い本を、くしゃみをしながらめくっていく必要もありませんね.

このCommentaryは、巻末についていて、小論文というよりは重要なポイントを注釈的にまとめたものになっています。

ちなみに、CommentaryはT.J.B.Spencer氏、IntroductionはAlan Sinfield氏、The Play in PerformanceはPaul Prescott氏が書いています。

 

pdf版Hamletにはこちらからアクセスできます。

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